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「って、マジかってさっきからどうしたの?神谷?」
「えっ...あっいや...俺、あいつのこと知ってるかもしれない...」
「え?」そこにいた涼介、立花、そして私は頭にはてなマークを浮かべて同時に問い返した。
「知ってるって神谷くんが?」
と、周りにいた生徒【主に女子】達が話を聞き付けてきた。
「マジ?イケメン&イケメンじゃん!」
「佐々木くん、神谷くんに続いてイケメン三人組が登場!...なんちゃって...」
女子はどんどん盛り上がって来る。
「えっと...お知り合い?それとも中学一緒だったの?神谷さんと..その...天ノ零、って子」
「...あぁ、小学生時代からの付き合いで、仲が良かったんだよ。中学も一緒だったけど、高校は別になっちゃってね。まぁ、連絡は取り合ってるし、...でも、転校するとは聞いてたけど、まさか浅沼高校..こっちに来るとは知らなかった。」
「えぇ〜?それって浅沼に神谷くんがいるとは、知らなかったんじゃないの?」
「いや...、俺が浅沼高校に入学した事は零も知ってる。」
「それじゃ、忘れたとか?」
「零に限ってそんなことはありえないよ!」
神谷の声に驚いて、皆目をパチクリさせている。
我に返り状況を把握した神谷は、
「ごめん...ある意味親友以上の中だからさ...つい、熱くなっちゃって...」
「えっ?あ、あぁ〜こっちこそごめん神谷、知らなくて」
両者とも完全に黙ってしまい、気まずい雰囲気になった。
「...ーーーーーえー、それでは皆さん、各教室に戻って精一杯勉学に取り組んでください。校長先生からの話は以上です。」
「...校長先生にある意味この状況を救われたな。」
涼介が苦笑いしながらいう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「えー、では、皆さんの新しい仲間の天ノ 零くんです。どうぞ、入ってらっしゃい」
ガラガラガラ...教室のドアを開けて静かに入ってきた人物は、丁寧にドアを閉めて、濠山 海先生の隣にたち、全校朝会の時と同じように、
「天ノ 零です。宜しく...」っと呟くように会釈をしながら改めて自己紹介をした。
教室が黄色い声でざわめく。
「皆さん、零くんは岳賀谷高校からきました。仲良くしてあげてください。えー、何か質問は?」
さっささ...クラスの大半が手を上げる。
「えー...沼岸さん」立花は嬉しそうに立ち上がり、
「はい!えーっと、天ノさんはどうして此処に来る事になったんですか?転入なんて珍しいし。」
すると、教室全体が静まり返る。
「あ〜、えっと..それは...」
濠山先生は何だか焦っているようだった。
「濠山先生には聞いていません!立花はキッパリと先生に向かって言う。
クラスみんなが笑う...私も苦笑いを浮かべていたが、一人だけ深刻そうな顔をした人物がいた。
「神谷さん...?どうしたの?」
「えっ?あ、いや...」
(?)
「よし!発言OKだよ!天ノさん」っといいながら右手でグットマークを示した。
「............それは..........」
天ノさんは答えにくそうに視線をみんなから外していた。
すると、
「家庭の事情だよな!零!」
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