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〜数時間前〜
「ふわぁ〜...」朝六時に起床。いつもどうり。
私、雪乃 冷夏の家は、他の家に比べれば豪邸の部類に入るのだろう。
私のお父さんは、今年の秋頃までアメリカに出張。そしてお母さんはここ二、三ヶ月遠出をしていて家には帰って来ない。
イコール私一人。まぁ、正確に言えば筆者やらメイドやらがいるから一人じゃないし、慣れているから寂しくもない。
「......寂しくない..か...」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「...行ってきまーす」
「行ってらっしゃいませ。」
筆順やメイドが応える。
(お硬いね。返事から何まで。)
何か面白い事はないかなぁ...
この生活に不便さを感じているわけじゃない。ただ、誰かと恋して最後の1年間笑って過ごしたいだけ。
「私の命は持ってあと1年、か...」
私は幼い頃から病弱で、赤ちゃんの時に大怪我をした。
頭部外傷・頸部外傷そう、頭を思いっきり。
ベビーベッドから落ちて、丁度そこに硬いモノがあったみたい。
布がクッション代わりになって一命は取り留めたけど、元々身体が弱いから病気にも掛かって。
手術出来ない事も無いけれど、移植が必要。麻酔もあまり身体に良くないらしい。
「下手したら植物状態とかになるのかなぁ...」
名家の私を手術する。それも中々の障壁だ。
お父さんはアメリカに出張&外科医探し。私自身、医者探しよりも恋人探しなんだよね。
(...もちろん同じ名家である佐々木家の佐々木 俊平を除いて。)
..........ーーーーー。
「はぁ〜...」
「おぉ?名家のお嬢様がため息とは、そんなこともあるのですなぁ〜(笑)」
「っ...!って、立花?びっくりしたぁ〜。ていうか、名家のお嬢様がため息を吐いちゃだめかしら?」
「いえいえ、そんなこと...っていう話はおいといてっと、ねぇねぇ冷夏」
「んっ?なに?」
「転入生の話、知ってる?」
「え?あ〜うん」
「その人について最新情報!男の子らしいよ!珍しく先に学校に登校した涼介が、『校長室からテナーボイスで落ち着いた感じの声がした』って!どう思う?」
「どう思うって...何で私に聞くの!?」
「だって、佐々木の野郎また冷夏に手ェー出しかけたんでしょ?」
「っ...!?なぜそれを!?立花が...!?」
「私の情報網を舐めちゃぁ〜いかんぞ?」
「もぉ〜怖いよぉ〜」
「私は冷夏お嬢様をお守りする者ですから...なんちゃって(笑)」
「立花ぁ〜?...まぁ、ソレとコレとはどんな関係が?」
「あぁそうそう...コホン...えぇっと、声的にイケメンらしいし、佐々木の野郎と一緒になるくらいならせめて佐々木の野郎から逃げ出すまで彼氏作った方が良いと思ってさ。それに、やっぱり自分の好きな人と一緒の方が良いでしょ?」
「...まぁ..確かに...」
「まぁ、ね?全校朝会でわかるよ!いずれにせよっね?」
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