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ある夜の話
それはそれは、暑い夏の夜でした。
夜が帳を下ろし、風の音だけがゴー、ゴーと聞こえる静かな夜でした。
草木も眠る丑三つ時
じっとり湿り気を纏った空気と時折聞こえる物音に、私はゆっくりと目を覚ましました。
微睡みの中で、何者かが蠢き・・・突然、
「ゴトッ、バタン」
目をやるとその壁には、天に向けてV字に伸びた脚。
その某有名ホラー小説を彷彿とさせる風景に、私は息をするのも忘れるのでした。
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