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未来型アンドロイド少女 情熱に追われ
博士がアンドロイドを製作して、もう何年になるだろうか。
見た目は、高校生ぐらいの女の子である。
博士は、何かお手伝いをさせるためにそのロボットを作ったのではない。
博士が何かをこしらえるときの動機は、基本的に、腕試しである。何かを発明した、あれを作ってみたくなった、というように、突然ひらめきが起こり、そこから行動を始めるということである。
その女の子も例外ではなかった。あるとき、1人のアンドロイドを作ってみたくなった。すぐさま行動を起こし、色々紆余曲折を経て、そして完成した、ということである。
そのあとは、その女の子に、家事をやらせたり、研究の手伝いをさせたりしている。結局は同じことなのだろうか。
いやもう1つ、大事な役割があった。博士が危険な状態のとき、助けるという役割である。
あるとき、博士が痛みで苦しんでいた。そこでアンドロイドは、病院へ連れていくことにした。おんぶやだっこをして運ぶには、ロボットとしてものすごいパワーを有しているのでこれは問題ない。ただ、その状態で外を行くのはみっともない。ベッドに寝かせて運ぶのも同じである。それで、車椅子に座らせて運んでいった。このときのためにいつしか作っていたわけである。
そして病院へ着いて診察してもらった結果は、尿道結石であった。痛み止めの薬をもらってすぐ帰宅できた。
もし命に関わる怪我や病気になったときは。そのときはアンドロイドがうまく連れていくであろう。今回の出来事はその予行演習になったということで。
またあるとき、博士が数日間、家に戻らないときがあった。アンドロイドは行動を始めた。博士が発明した空飛ぶ機械と特定の人物の居場所を探す道具を使って、博士がいるところまで到達することができた。趣味の登山の最中に遭難していたのである。そのあと2人で協力しながら、無事下山することができた。
このように、博士とアンドロイドは、互いに家族のように協力しながらずっと過ごしていた。
またまたあるとき、博士が何か発明した。乗り物である。車等は付いていない。ロケットのようなUFOのような形状である。
そして、「すぐ戻るからな」と言いつつ、博士は荷物を抱えながら1人で乗り物に乗り、そのあと、それは光に包まれていき、消えていった。
それから・・・。
博士は戻ってこなかった。
博士を見送るなどして一部始終を眺めていたアンドロイドは、何分たっても変化が訪れない状態から、博士の身に何かが起きたのではと、自らのものすごく優秀な電子頭脳により判断した。
そして行動を起こした。
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