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「そうね、そうだわ!」
渡りに船を得たパウラは、ウーノを即、買うことに決定した。
帰りの道中、カラッと晴れた青空の下、尾根や鞍部にだけ冠雪した雄大なコーカサス山脈を背景に色とりどりのポピーが爛漫と咲き乱れる緑豊かな野原の中を蛇行する小道をパウラは手枷足枷を嵌められたウーノの首輪に繋がれた鎖を引っ張りながら歩き、ラウラはウーノの背中にナイフを突きつけながら歩いていた。
辺りでは様々な小鳥や虫が楽しげに飛び交っていて二人はそれらに合わせるように鼻歌交じりにウーノを家に連れて帰り、奴隷用の檻に入れてから話し合った。
「ねえ、ラウラ、ウーノは大人しいし、従順そうだから手足を切り落とさずに飼うことにしようか」
「とか何とか言っちゃってママったらウーノが気に入ったからそんなこと言うんでしょ!」
「違うわよ、只、年取って情が深くなっただけよ」
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