プロローグ

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プロローグ

 ーーどうしてこんなにも満たされない気持ちなんだろう。夢のために頑張るって前向きで充実していて楽しいはずなのに。  私の夢には大きな壁がある。その壁は人から見たら小さな物で、そんなことでと思うかもしれないけれど。そんなことなら諦めたらと言われてしまうことかもしれないけれど。  私にとっては子供の頃からの大切な夢なんだ。家族がいて友達がいて幸せな人生だと人は言うかもしれないけれど。  あの夜不思議な出来事が起きて、私の人生は大きく変わった。切なくて空しくて満たされなかったあの夜。あなたに出会えて良かったーー  ーーどうしてこんなに満たされないんだ。夢が叶って好きな人もいて充実している人生を送っているはずなのに。  人から見たら恵まれているだろう、輝いて見えるだろう人生はどこか満たされない物で、そんなもの贅沢だとかワガママだとか言われるかもしれないね。  それでも私は何かを求めていて、あの夜はとくに空しくて切なくてやりきれなかった。独りじゃないはずなのに、心の中は寂しくて。  あれから起きた不思議な出来事のお陰で私の人生は、本当の意味で輝き始めたと思う。あんたに出会えて良かったーー
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