〜祠の子〜

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〜祠の子〜

昔からユウレイやら妖怪が襲ってくるなどと色んな噂や事件が絶えないこの町、 夜宵町(やよいちょう)。 境界線を護る為の三大神社、 双子神社(そうごじんじゃ)三千大神社(さんぜんだいじんじゃ)そして、 夜宵神社(やよいじんじゃ)妖ノ彩森(あやかしのしきもり)を三角形に囲っている。 その森の中心部には祠があり、そこには【祠の子】と呼ばれる祠の守り人がいるという。 妖事など、悩みや解決させたい事、知りたい事をその【祠の子】に聞くと、 教えてくれたり解決してくれるらしい。 かなり有名な話だが不思議な事に誰も容姿や声色を覚えていないと言う。 会った記憶や、存在は知っているのに何処か忘れてしまっているようで、 大人に関しては何度教えてやっても次の日には必ず存在を忘れている為、学校の先生達も真面目に取り合ってくれるような先生はいなかった。 え?「当然だろう」って?視えているモノだけが全てじゃないよ。...なんてね? キーンコーンカーンコーンーーー... 終業のチャイムが鳴る。 「あ~マジ疲れた〜」 いつものようにだらけているコイツは霧宮 琉人(きりみやりゅうと)。 勉強以外の事なら基本的やる気全開。遊びだと尚更。 だが、粘り強くて勇気がある所“だけ”は信用できる奴だ。 「琉人ってばいっつもそうやってー...」 この子はしっかり者の生徒会長佐藤 伊織(さとういおり)。 成績優秀でなんとも女の子らしい私の幼馴染で親友。 怖がりだが的確な判断をする為とても頼りがいのある子。 「そ ん な 事より!いいネタがあるのよ〜!」 活発で元気な女の子といえばこの子、朝宮 瑠璃(あさみやるり)。 成績はいいしスタイルも抜群だけれどオカルト話が大好きで、 ネタと言いながら色んなおまじない方法やらを持ってくるというちょっと特殊な子。 彼女の事を怖がる子も居るらしいけどなんと言っても瑠璃は剣道を習い剣道部部長でカッコイイと、 男子だけでなく女子からもラブレターが届くほどの人気人物だ。 「まぁまぁ、取り敢えずこの後の予定について話そうか?」 冷静沈着。この落ち着いた声の持ち主は、二人目の生徒会長幅廣 司(はばひろつかさ)。 成績優秀容姿端麗。まさに完璧!強くて優しい人だが人見知りが目立つ。←(そこが欠点) まぁ、イツメンの私らには関係無いけど。 ちなみに弓道部部長で全国大会出場&最優秀賞。 女の子が憧れる彼氏ランキング堂々の1位!っていうなんか色々すごい人。 そんでもって目撃情報によると普段は和服を着ているらしい。 「まっ、そうだね。どこ集合する?」私、赤城 燐(せきじょうりん)は成績から何まで ザ・平均を極める超普通女子高生。 皆と何が違うかって言ったら霊感や妖力、神力が強い事ぐらい。 まぁ、責任感は強い方だし約束は必ず守る。(というのがモットー) 自分で言うのもあれだけどかなり皆からは頼りにされてるし信用してくれる。 瑠璃に関してはオカルト系っていうのでいつも絡んでくるから大変だけど。 「それじゃあ集合時間どおりに来なさいよ?」 遅れないでね〜と付け足し瑠璃は子供のような無邪気な笑顔で駆けて行った。
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