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白の七分袖シャツの上にネイビーの和式カーディガンを纏う。
ワイン色のワイドパンツを着て青色のエターナルリーフサンダルを履くその姿は、
神社の神主さんのオフみたいな、とにかく目を見張るほど美しかった。
すると、
『おっ ...可笑しいか...?』
どうやら自分は似合っていないと思っているらしい。
照れたように自分の服装を見る姿はどこか可愛げがあった。
「着替えた方がいいって言ったのは自分でしょ?」
からかうように彼に問いかける。
『それはそうだが...』
困った様に照れる彼を見て自然と笑みが溢れた。
「ふふっ...とっても似合ってるよ。カッコいい。」
ニコッと微笑むと、彼は数秒間私を見てから
『ふふっ...』と笑って、
子供のように無邪気に笑って返した。
『ありがとう...!燐。』
「...っ!!」
本人は無意識のようだが無邪気な笑顔に不意を突かれた。
【祠の子】は普通にイケメンだし...、そもそもなぜ彼は私の前でこんなに笑ってくれるのだろう?
...でも、彼が笑ってくれるならどうでもいい気がした。
「行こっか!」
私が笑いかけると、まるでいつもの当たり前のように
『うん。』
笑って返してくれる。
私は彼...【祠の子】が好きなのかもしれない。
でもその気持ちを伝えられる気はしなかった。
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