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昼休み、大学の食堂にて。
「これ皆で行かないか?」
三又光造が雑誌を広げて言った。
差し出された雑誌を見てみる。
~ゲーマー募集~
期間 6月1日~6月30日
時給 10000円
年齢 十八歳以上
内容 開発中のゲーム内のミニゲームのテストプレイをしていただきます。1日に行われる説明会(約1時間・時給あり)に参加していただく事が条件です。好きな日に好きなようにご参加いただけます。最終日にアンケート有。
「何この溢れる怪しさ…?」
一条百合香が呟く。
「…光造…。大丈夫か、これ?都合がいい事しか書いてないんだが…。」
三又の親友の五味槙吾でさえ及び腰だ。
「楽しそうだけど?」
そんな楽観的なコメントは不二梨子。
「…そもそも、誤植だと思うよ…。」
四葉林檎の言葉に注目が集まる。
「…多分、1000円と打つべきところで0を打ち過ぎたんだと思う。それでも集まる人数によっては破産しかねないし…。」
それが妥当なように思える。他の皆も納得した様子だ。
しかしそれを聞いても三又は落胆の様子を見せない。
「実は一つ噂があってさ…。このゲームに横島財閥が出資しているらしいんだ。この時給はそれが原因じゃないかな。」
横島財閥は確かに大財閥ではあるが…。
「それでも高すぎると思う…。」
「まあ、とりあえず説明会だけでも行ってみないか?「好きな日に好きなように」って事はヤバそうだったら極力参加しない事もできるのだろうし…。」
「横島財閥がバックについてるなら本当に稼げるかもな…。」
…いつの間にか五味がやる気になっていた。
こうしてとりあえず説明会には参加してみようという事になったのだった…。
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