はじめてのお泊まり

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「ごめん、勝手に」 棚の本のタイトルを見るのと、伝票を見るのは同列ではないよね。 ちょっとしたプライバシーの侵害だ。 気まずくなって謝ると、いいよと言われた。 歩み寄ってきた立花くんが箱を手にし、それを私に差し出してくる。 「これ、琴美のだから」 「私の?」 「開けてみて」 カッターナイフを渡され、リビングのテーブルの上で開封した。 ( 化粧品ってあったし……お泊まり用に準備してくれたのかな ) 中からできたのは可愛らしいブルーのラッピングバッグだった。 袋に印字されているのは見たことのないメーカー名で、思わず首をかしげた。 中には小さな箱とチューブボトルが一本入っていた。 「なにこれ……?」 机の上にそれらを並べて呆然とした。 それはいわゆる大人のおもちゃとローションだった。  
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