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エントランスからずっとキョロキョロしっぱなしの私に立花くんは苦笑している。
「お邪魔しまーす……」
なかに誰もいないのはわかってるけど、新しいお家に入るときはなんか恐縮しちゃう。
玄関からまっすぐのびた廊下をおそるおそる進むと、リビングのドアがあった。
そこにつくまでにはドアが三つ。
バスルームとトイレと寝室だろう。
「風呂用意してくる。冷蔵庫は好きに使って」
コンビニで買ったドリンクとスイーツを冷蔵庫の中にしまうとやることがなくなった。
リビングに行き、テレビボードの横の棚にある書籍たちのタイトルを見たりしていると、その箱が目に飛び込んできた。
両手に乗るくらいの小さな段ボールだ。
未開封で、商品名欄には「化粧品」とある。
「──それ、気になる?」
突然声がして私はギクリとした。
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