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もちろんこのカラスは調教されたカラスだろう。然し、このことを学習し、それを実際に行い、しかも応用することもできるとは、やはりその知能の高さが伺える。今回の場合、上のカラスが見張り役で、下のカラスが作業役だったのだろう。敵(おばあちゃん)がこっちに向かってくると分かるや否、仲間に合図し、仲間は合図を聞くや否や作業を中断し、一時安全な場所へ避難したのだ。今思い返してみるとその行動は、本当に熟練の兵士みたいな見事な連携プレイであった。
カラスの見事な連携を見た僕は、信号機が青となり、おばあちゃんの皺が視界から消えてもなお、感心の余韻がしばらく残った。
しばらくして、ようやく余韻が消えかかる頃に、目に入ってきたのがこの「うぐいす橋」の文字であった。その橋はもう越えてしまって、もうすぐ畑道へと差し掛かる頃だったが、苔が挟まったその彫られた文字の映像が、まだ脳裏にぼんやりと映し出されていた。
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