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敵国の魔術師に皇帝は呪いをかけられて、おだやかな気温の日も、皇帝にとっては灼熱地獄に感じられるようになった。
うめきながら皇帝は言った。
「私をひんやりとさせた者には褒美をやろう」
「それなら」と皇帝の国の魔術師が言った。「私が呪いをはね返してごらんにいれましょう」
さっそく儀式が行われ、魔術師のかけ声とともに、呪いははね返された。
すると皇帝は寒そうにぶるぶる震え始めた。
「おお、新しい呪いだ! はね返せ!」
「王様」と魔術師はたしなめるように言った。「これまで灼熱地獄にいたのですから、呪いがとけると、普段の気温が氷の地獄に感じられるのです」
皇帝は凍死していた。
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