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目が醒めると、俺は人ごみの中にいた。 しかし、そこはただの人ごみではなかった。誰一人として一歩も動かないのだ。 どうなってるんだ?なにかを待っているのか? つま先を伸ばして外をみようにも、周りの人間に視界が遮られ、見ることはできなかった。 腕時計をちらりと見る。時刻は18時を示していた。 やばい、待ち合わせまで時間がない。今日だけは遅れるわけにはいかないんだ。 「すみません、ちょっと道を開けてください!」 必死に呼びかけるも、まるで聞こえていないかのように周りの人間はなにも反応を示さなかった。 なんだよ、こいつらは。 シカトをかまされ、頭にぐわっと血がのぼる。 もう頭にきた。力づくで通らせてもらう。 上半身を斜めに傾け、溜めをつくると、思い切り目の前へと突っ込んだ。しかし… まるで壁にぶつかってるかのようにビクともしない。 おいおい、どうなってんだよ。 目の前を阻む2人の細身の男性。彼らは社会人サッカーで日々体を鍛えている自分より、明らかに力は弱いように見えた。
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