2/10
前へ
/10ページ
次へ
だめだ、待ち合わせには間に合いそうにない。 電話で謝ろう。 ポケットからスマートフォンを取り出し、電源ボタンを押す。 「…あれ?」 何度ボタンを押しても一向に画面は黒いままだった。 電源が入ってないのか? そう思いボタンを長押ししても、画面はピクリとも反応しない。 どうやら電池自体が切れているようだった。 「ちくしょう。こんな時に何だってんだ。」 スマートフォンを荒々しくポケットに戻す。 再び周囲に向かって突っ込んでみるも、やはり例のごとくビクともしない。 「くそっ。どうすることもできないってのかよ。」 こみ上げる歯がゆさをなんとか落ち着かせ、人ごみが動き出すのを待つことにした。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加