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ーー1時間。
おいおい、誰も腹減らねえのか?
周りの人ごみが動き出す気配は微塵も感じられなかった。
ーー2時間。
先程から見える光景は一切変わらない。
…ん?ちょっと待てよ。
周囲を改めて見回す。やっぱりそうだ。
そう、何も変わってないのだ。
周りの人間の佇まいは目が醒めた時から何一つ変わっていなかった。
頭の向きから、指先の形にいたるまで何もかも。
その様子がただただ不気味で仕方なかった。
それから何時間が経っただろうか。周囲の様子には相変わらず変化はない。
その時、腹が空腹を訴えるように大きく鳴り出した。
昼食を食べてから何も食べていなかったことに気づく。
リュックを開け、何か食べるものがないか探す。
唯一見つかったのは一粒のチョコレート。
以前、由紀子からもらったものだった。
チョコレートを口に入れ、ゆっくり、ゆっくりと時間をかけて溶かしていく。
そしてエネルギーを使わないよう、しゃがみこんだ。
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