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どすっ。 その時、何かにぶつかるような鈍い音が響いた。 あれ、おかしいな。 一度後ろに引き、もう一度前に向かって走り出す。 どすっ。 しかし、何かが邪魔で前に進むことができない。 なんだろう。 他の方向に向かって同じように走りだす。 しかし、結果は同じだった。 まだ視界がはっきりとしない目を擦りあげ、周囲を見渡す。そこに映っていたのは……。 「なんで…」 人ごみだった。前と同じように再び俺は四方を人に囲まれていた。 以前と全く同じ状況の中に俺はいた。 俺はしばらくの間その光景をただ呆然と眺めていた。
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