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真夜中の兎小屋 二日目
真夜中の十二時、葛之葉高校の兎小屋前に影が一つあった。その影は片手にカッターを持ち、もう片方の手には鍵が握られていた。
そう、この影が昨日兎を惨殺した犯人なのだ。
「ふふふふ、もうすぐ見つかる。」
歌うようにそう呟く影は、兎小屋の扉に鍵を差し込んだ。鍵を回すと、扉は簡単に開いた。
ガチャ、キィー
扉が開く音がすると、兎たちは身を寄せ合い警戒していた。
影はそんな兎たちを見ると、
「あはっ」
と笑い声を漏らし、躊躇なく兎たちに近づいていった。
兎たちは両足で、地面を精一杯叩いて警戒している。
影はそんなことを気にせず、手近にいた兎に手をのばす。
兎の両耳を掴み、地面に押さえつけた影はカッターを大きく振りかぶった。
そのときだった。
パシャッ、とシャッターを切る音と兎小屋全体を照らすほどのフラッシュがたかれた。
「な、なに!?」
影は突然の音と光に怯み、振り向くと兎小屋の外に二人の人間がいることに気づいた。
「あなたたち、誰よ!」
影が叫ぶと、二人は口を開いた。
「探偵部一年、来栖きずなと」
「探偵部部長、齋藤時雨です。」
「「犯人はあなたですね。園原純玲先生。」」
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