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放課後の部活動
「せんぱーい、知ってます?『兎ぐちゃぐちゃ事件』。」
放課後、第二理科室で少女は黒板前の椅子に腰を掛け、本を読んでいた少年に声をかけた。
少年は本から顔を上げ、少女の顔を見て微笑み答えた。
「もちろん知っているよ。兎小屋の半分近くの兎が刃物でぐちゃぐちゃにされていた事件でしょ。」
「それです。現場見ました?すごかったですよー。血と臓物がぐちゃぐちゃになっててR18Gでしたー。」
少女は無表情で、少年は微笑みながらグロテスクな会話を続ける。
「血ってあんなどす黒いんですねー。トマトジュースとイカスミを混ぜた感じでしたよー。」
「へー。僕も見てみたかっなぁ。」
「さすがせんぱい、サイコパスですねー。」
「あはは、そんなことないよ。」
和やかな会話を続けていると、少女は思い出したかのようにスカートのポケットから手紙をだした。
「そういえば理事長から探偵部に依頼ですって。『兎ぐちゃぐちゃ事件』の犯人探しですよー。」
少女の言葉に少年はむう、と頬を膨らまし答えた。
「もー、そういうことははやく言ってよ。じゃあ、調べにいこう。」
「ですねー。」
少年は本を机の上に置き、立ち上がる。少女もそれを見て、カメラの準備をはじめた。
「探偵部、活動開始だよ。」
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