探偵部

2/2
10人が本棚に入れています
本棚に追加
/19ページ
葛之葉高校には代々、探偵部なるものがあった。全盛期には部員数が20人ほどいたが、今はたった二人となっている。 その二人が来栖きずなと齋藤時雨なのだ。 この事実に尾先は頭を抱えた。ただでさえ問題行動を起こしている天才二人が集まってしまったのだ。 何をやらかすか分からない。 しかし、その二人(天才たち)にはある種の習性といえるものがあった。 彼ら(天才)は退屈を嫌う。 適度な謎を与えておけばおとなしくなる。まるで言い方が人に対するものではないことは分かっている。 しかし、あの二人を同じ人間だと思ってはいけないのだ。 幸いにも、ここは高校だ。トラブル()は山のように出てくる。 天才たちも大人しくなる、トラブルも解決する。まさに一石二鳥だ。 「探偵部の二人に例の事件を解決してほしいんだ。」 そう笑みを作りながら、今日も()を渡した。
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!