死体が埋まってたってさ。

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 シャリ、と小気味のいい音を立ててアイスを噛み締める。確かに高校生の恋愛は、世間とか、お金とか何も気にしなくていいものだ。  その代わり、将来への不安も付いて回るけれど――、いや、それはいつの歳も同じかもしれない。 「燃え上がるような恋だったんだ。絶対に冷めないと思ったよ。このまま結婚したいと思ってた。彼氏に乞われれば、駆け落ちだって出来たさ。それ位心の底から好きだった」  まるで懺悔のように、後悔するように彼女は目を伏せる。皺だらけの目元が何かを懐かしむように、ふと緩んだ。 「だけど彼氏は何も言わずに姿を消してしまったんだ。――捨てられたと思ったよ」  アイスを口から話した。瞬き数回分、悩んだ末に僕は切り出した。 「その彼氏の事、恨んでる?」  ちょっとだけ声が暗くなった。辺りが少しだけひんやりとした空気に包まれる。  しまった。こんな重くするつもりはなかったのに。  僕の曇った表情を見たおばちゃんは、からりと晴天のような笑みを浮かべる。 「最初は勿論恨んださ。でも、もう恨んじゃいない。捨てられたんじゃないって分かったからね。そして、彼氏は不器用な人だった。そんな所も好きだったけど」 「そっか」  さっきより幾分か声が軽くなった。自然と口元が緩む。盛大な惚気を頂戴した気分だ。
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