あとがき・十の質問

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あとがき・十の質問

【あとがき】  本編を最後までお読みいただき、ありがとうございました。  人生の貴重なお時間を費やして読んでいただいたのですから、出来ればそれ以上の何かが得られるようなお話になっていれば良いのですが、まったくお役に立てないかもしれませんし、読んだ事で、もしかえって生きる上で辛い気持ちが増すような事になってしまったら申し訳ありません。  そもそも今でもまだ自分自身が死にたいという気持ちにもなりますし、今後の人生、そこまで心も体も元気に生きていけるかどうかも解らないのですが、これ以上、気持ちの優しい人に犠牲になっていただきたくないという思いもあり、このお話を書いてみることに致しました。  どんなに心が綺麗で優しい人でも、『善意のブレーカー』が落ちてしまうような瞬間があります。自分さえ我慢すれば、自分さえ気が付かないふりをしていれば大丈夫だと言い聞かせていても、それらが幾つも重なった時、そして最後にそれまでの努力を否定するような一言を言われたりしたときに、『ブツン』と心の糸が切れてしまう事があるのです。  それは心が弱いからというよりもむしろ、我慢強く、忍耐強い人が限界まで頑張って頑張って、耐え抜いてきたからこそ起こる事だと思うのです。  それまでそうやってきたからこそ何とか生きてきた自分自身の軸を、無神経で無責任な人間の一言や行動で、簡単に折られてしまうような瞬間が、私にもありました。  だからこそ、このお話を書こうとも思えたんですけれどね。  もしほんの少しでも、読んでくださった方のお役にたてるのなら、私のこれまでの人生もまったくの無駄ではなかったかもしれません。  読んでいただき、本当にありがとうございました。  あとがきの最後に、私のように『なぜ死にたい自分になったのか』が解りさえすれば、生きづらい気持ちが少しは和らぐ方もいらっしゃるのではないかと思い、十の質問を考えてみました。  今現在、具体的に『死にたい』理由が解っている場合は意味のない質問かもしれませんが、例えば私のように、子供の頃からなぜか生きている事自体が辛く感じられるような場合、その原因を思い出すきっかけの一つにでもなればと考えた次第です。  質問の答えを考える事自体が不快だったり不安だという場合、もちろんお読みになられなくても、お答えにならなくても構いません。ご自身の心の状況によって、ご判断下さい。  厳しい時代ですが、一人でも多くの善良な人が幸せに生きられる世界になる事を願ってやみません。今日これからのあなたの人生に、幸多からんことをお祈りいたします。 ………………………………………………………………  【十の質問】 ◆一.あなたがこれまでの人生で、一番傷ついたと思う出来事は何ですか? ◆二.それはどうしてですか? 誰が、もしくは何があなたの心を傷つけたのでしょうか? ◆三.同じ事が、あなたの最も愛する人や大事な人、好きな人に起きたとして、赦せますか?  その出来事は、あなたやその人だけで、どうにかして防げたと思いますか? ◆四.その人に、あなたは何と声をかけてあげますか?  どのように接したら、その人の救いになると思いますか?  それとも、あえてそっとしておいてあげた方が良いと思いますか? ◆五.あなたが一番大事だと思っている人や尊敬している人、愛している人(または本来ならそうあるべき関係性の人、そうであった欲しかった立場の人)に、傷つけられた出来事や、言葉は何ですか? (※問一と同じ答えでもかまいません) ◆六.今、その出来事を改めて考えてみて、相手や自分のどちらかが一方的に悪かった、もしくは問題があったと思いますか?  それとも、お互いに誤解や思い込み、すれ違いがあったかもしれないと思いますか? ◆七.その相手が目の前にいるとして、今のあなたなら何と言いますか?  反論でも謝罪でも、怒りをぶつけるのでも構いません。  相手はそれに対して、あなたの心も体も、傷つけたりする事は一切ないと仮定して。 ◆八.もしそれが現実に出来たら、相手も自分も赦せると思いますか? ◆九.この世界で、他人や弱者から搾取して苦しめているような最も酷い生き方をしている人々や、歴史上酷い行いをしてきた極悪人や犯罪者と比べても、あなたは生きている価値がないと思いますか? ◆十.もしあなたが思いつく限りの優しい神様だとしたら、あなたのこれまでの人生に対して、何と声をかけると思いますか?  謝罪でも、労いの言葉でも、誉め言葉でも、起こった出来事に対しての具体的な理由や説明でも構いません。あなたの自由です。  そしてこれからのあなたの人生に対して、どう声をかけると思いますか? ……………………………………………………………… 【『そうだ私一回死んだことにしよう』了】
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