最恐の家

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3.女性Ⅱ 「残りの爪も剥がしましょうね」 私はお母さんが恐い。 恐いけど、この女性を助けたい。 「お、お母さん、飲み物欲しいな」 「喉が渇いたのね」 「うん」 「そうね、今飲み物がきれているからお母さん、スーパーに買いに行ってくるわ」 「はい」 お母さんはスーパーに買い物に行った。 私はこの女性を助けるなら今しかないって感じた。 「今助けますね」 「そんな事していいの?」 「はい」 私は女性の拘束具を解いた。 「早く逃げて下さい」 「あ、ありがとうございます」 女性は急いで走って逃げて行った。 「これでもう被害に遭わなくて済む」 「明美、ただいま」 「お母さん、お帰りなさい」 「あれ? 明美、女性の人は?」 「し、知らない」 「知らないじゃないでしょ」 「私、お手洗いに行ってた」 「そ、そうなのね」 お母さんは私の事を疑っていない。 「明美、拘束具が外れているわ」 「う、うん」 「簡単に外せるものじゃないのに」 まずい、お母さんが気づき始めている。 どうしよう……。 私はお母さんの傍から離れる事にした。 「せっかく捕まえてきたのに……」 私はこのお部屋から出る事に成功した。 「明美、あれ? 居ない」 私はこっそりと靴を履いて外に出る事にした。 「明美~何処にいるの?」 私は明美を探しているけど、何処にもいない。 「あの子ったら、何処に行ったのかしらね」 私は玄関に行って靴を見る。 「明美の靴がない」 「まさか、明美が女性を逃がしたのね」 私は靴を履いて外に出ると明美を探す。 きっと明美はそんな遠くまで行ってないと感じる。 まずは近くの公園を探す事にした。 公園の隅々まで探しても明美は居なかった。 その時だった。 明美の似た姿を目撃する。 私は急いで追いかける事にした。 だんだんと距離が縮まっている。 ついに明美を捕まえた。 「明美、捕まえたよ」 「誰?」 「ご、ごめんなさい、人違いでした」 私はがっくりする。 明美一体何処に行ったのよ。 私は日が暮れそうなので一旦、家に帰る事にした。 するとその時だった。 明美と鉢合わせをする。 「お母さん」 「明美」 明美が逃げようとした所を私は捕まえる。 「お母さん、離して」 「離しません」 私はお母さんに連行される。 「明美、どういう事?」 「どういう事って?」 「貴女が女性の人を逃がしたんでしょ」 「ご、ごめんなさい」 「お母さんに逆らうのね」 「ごめんなさい」 「お母さん、お願いだから許して」 「ダメです」 「そんな許してよ」 「……」 お母さんが私の手足に拘束具を取りつけていく。 「お母さん、やめてよ、親子でしょ」 「そんなの知りません」 「あんな恐い思いは嫌」 「明美っ! いい加減にしなさいっ!」 「ひぃ」 私は恐くて怯えている。 お母さんがとても恐い。 「明美、始めましょうか」 「拘束具解いて、お願いします、もう逆らわないから」 「そんなの信じられない」 「お母さんの馬鹿、なんでわからないの」 「親に向かって馬鹿とは何事よ、もう許しません」 「今のはごめんなさい」 お母さんは私の爪に爪剥がし機をセッティングしている。 「爪剥がすよ」 「いや、いや、いや、いや」 私は暴れている。 「じっとしていなさいっ!!」 「ひぃ」 私はじっとする事にした。 お母さんは爪剥がし機で私の爪を剥がした。 「いだいぃぃぃぃぃぃ」 私はジタバタと暴れている。 「明美、すごい痛そうね」 「お母さん、痛いよ、痛いの、助けて」 「助けてあげませんよ」 私は目に涙を浮かべて泣いている。 「泣いてもダメよ」 「おがあざん、ごめんなざい、ゆるじて」 「みっともない子ね」 お母さんはまた私の爪に爪剥がし機をセッティングする。 「もういや、もういや、もういや、もういや」 「あははははっ、明美、これは罰なの」 「娘にこんな事をするなんて親じゃないよ」 お母さんは爪剥がし機で私の爪を剥がした。 「ぎゃああああああっ、痛い、痛い、痛いの」 「おがあざん、本当にだずげて……お願い……」 「聞こえません~」 私は心の中でお母さんが恐い恐い恐いとしか感じられない。 誰か助けて私壊れちゃう。 「まだまだ爪剥がし機で爪を剥がしましょうね」 「もうじないで、やだよっ、お願い」 「…………」 お母さんは黙っている。 このままだと私全部爪を剥がされる。
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