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応接室には黒の革張りのソファが三面に並べられ、代利子たちから見て手前側のソファにはすでに2人座っていた。
1人はもう3度ほど話している代利子を担当する区役所の壮年の女性職員、もう1人は黒縁眼鏡をかけた地味な若い男性、代利子は初めて見る人だった。
代利子は会釈をしながらすでに同席している教頭に促され、区役所の女性の向かいに着席した。
「本吉さん、調子はどうですか?」
「えっと……普通です」
「なら良かった」
この女性職員は初めて面会した時から代利子の現状をこうして当たり障りないように伺う。代利子は少しだけ鬱陶しく感じる。
「さて、急なんですが」
特に何も無いので女性はすぐさま本題に入る。
「本吉さんのご親戚が宮崎県にいらっしゃることがわかったんです」
「………………はい?」
代利子の目は点になった。
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