さよなら

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__神様のふるさと ひらさかにようこそ    日本神話の原点「神子高原(みこたかはる)」    天国に一番近い場所 パワースポットも満載☆    高千穂の雄大な自然でアクティビティ!    家内安全 商売繁盛 恋愛成就 安産祈願…いろんな神様のご利益をもらおう!    話題のSNS映えのスイーツも♡  いかにも、な田舎のPR広告だった。 「神様のふるさとって銘打ってはいますけど、ぶっちゃけ出雲(いずも)には負けますよねー」  基樹は慣れたように「あはは」と笑うが代利子は笑っていいのか分からなかった。 「平坂町の神子高原地区という、平成の大合併までは村だった場所なんですが、そこに、えーっと…本吉さんの親族の方々が住んでいます」 「はぁ」  代利子はチラシを眺めたまま気の抜けた返事をする。基樹はその返事を聞くと説明を続けた。 「えっと、本吉さんは日本神話をご存知ですか?」 「日本神話、ですか?」  急に言われても代利子はピンとこなかったので「あんまり…」と曖昧に返す。 「うーん…有名なお話だと、伊邪那美(イザナミ)伊邪那岐(イザナギ)の国生みとか、あと天照(アマテラス)天岩戸(アマノイワト)とかは聞いたことありません?」 「それなら少しだけ聞いたことがあります」 「神子高原地区はそういう神話の神様の末裔(まつえい)みたいな人たちの集落で、本吉さんのお母さん、本吉 七星(ななえ)さんも神様だったんです」  代利子は再び動きを止めた。まるで漫画のような世界のことを真剣に伝えられて飲み込めなかった。
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