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頭の中がまだまだ整理がついてない代利子に、基樹はまだ説明を続けた。
「実は私も神様で、本吉さん、あなたも神様なんですよ」
現実味のない言葉に代利子は顔を上げて基樹を見た。基樹は嘘をついているような表情ではなかった。
「あ、あの…ちょ、と…待ってください………それ、なんの冗談ですか?」
「そう言いたくなりますよね、私もそう思います。本当はすぐにでも駆けつけるべきだったのですが、本吉さんのご両親が亡くなった日に、七星さんのお父さん…本吉さんのお祖父さんも病気で亡くなったんです」
生まれて一度も会ったことがない祖父の死を聞かされる。代利子は少しだけ悲しいという感情が胸に刺さる。
「お祖父さんは神様でしたので、お葬式も一般の方とは違いえらく時間がかかって、今日になってしまったこと、本当に申し訳ありませんでした」
そう言うと基樹は深く頭を下げて代利子に謝罪した。
同日に亡くなった代利子の両親も集団事故だったため、普通に比べたら時間がかかった。だがそんな両親の葬儀の日から今日まで随分と時間が経つのに、それ以上に葬儀に時間がかかっている祖父、代利子は「神様」と言うものを信じ始めた。
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