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「.......てか、まだこのメガネしてたんだ」
「うん、夫婦みたいってウワサされた思い出のメガネだから」
「嫌な記憶.......」
思春期のあたしにとって、男子達が噂することがくだらなくてたまらなかった。
そんな中、自分もそんな噂に入ってしまってつくづくうんざりしていたのが記憶にある。
「.......ってか、最初からなんで明かしてくれないのよ」
「明かしてたら、普通に話してくれてなかったろ」
「たしかに。嫌いだったもんね、アンタのこと」
なんで嫌いだったのかなんて、もうわからない。
でも、多分ただ噂されたのが恥ずかしかっただけなんだ。
「実乃梨ちゃんだって、こんなんじゃなかったろ。さっき本性隠してたろ」
「そりゃ、隠すよ!そーいう場所でしょ」
「おい、実乃梨ちゃんなんて呼んでんの?成長したなー。よかったなー、智明」
ニコニコしながらまた智くんの頭を撫でる。
「モーお前うるさい。いいから、いったん二人にさせろ」
「はいはい。じゃあ、行こうか。二華ちゃん」
二華に向かって、手を差し伸べて、2人でバルコニーから会場の中へとはいる。
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