話してみませんか?

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話してみませんか?

「.....おはよ」 窓を開けて、俺は小さく呟いた。この部屋には誰もいない。そう、俺だけ。つまり、一人なんだ。 今日も朝が来た.....土砂降りの朝がね。 誰か、俺の心の傷を癒してくれる.....いや、取れてしまったネジを巻いてくれる人いないのだろうか。 暇だから、朝はアニメをよく見てる。休みの日だとずっと見ている時もある。 でも、見てて思うのが 「昔のアニメにこんなのいなかったよな.....」と思う。居たかもしれない。でも、俺は見たことない。こんな、羨ましいぐらい人に愛されてるアニメキャラなんて知らない..... バカな事を考えてないで、支度しないと..... あと、顔洗わないと。涙を隠さないと..... 最近、口癖なのか、分からないけど何かあっても「ま、いっか」で済ませてしまう事が多い。 そう考えてたら昨日の彼女との会話が蘇る。 『もう、あなたには期待してないから』 いや、そりゃ俺だってさ、自分に期待してないから言われてもいいんだけど..... でも、あれはどういう意味で言ったのかな..... 昨日は喉の元まで来たのに、引っかがった様に言葉が出なかった。 口をついて、出たのは『嘘』だった。 また、こうして俺は貴重な言葉のやりとりを浪費して生きていくんだな..... 『なぜ隠してしまうの?』 『悩み事や愚痴を言って、笑われるのが怖いって思ったりしてるの?』 『それとも、今は誰とも話したくない?会いたくもない?』 『あぁ、会いたくもないし、話したくもない』 『それは本当の気持ちなの?』 今は曖昧という名の海に溺れているんだ。息ができないほど苦しいんだよ..... 少し、君の声が聞きたくなっている。 あぁ、本当に俺は弱いな。 【過去】 はぁ、支度が終わらない。進まない。 「準備できた?」 「いや、まだ.....もう、テキトーな理由作って休みたい」 「はぁ!?何言ってるの!せっかく合格して、会社に入れたんだから」 「分かってるよ。冗談っていうか、なんとなく言ってみただけ。ちゃんと行くからそんなに怒らないでくれ」 【現在】 あぁ、あの頃は幸せだったな。 幸せだろうと不幸せだろうと.....平等に残酷に朝日は昇る。 生きてくだけで精一杯の俺にさ、これ以上、何を望むんだよ..... 『なんで、俺の事なんか気にすんだよ』 『本当はみんなに愛されたいんじゃないの?』 『ふっ、この手を離したのはお前だろ。何を偉そうに言ってるんだ?気づいてたんだろ?』 人生にタイムカードがあるのなら、終わりの時間はいつなのか教えてくれよ..... 俺が生きてた分は誰が覚えててくれるの? 『私はあなたが死んでも忘れないよ。あなたが生きていたって事を』 君はいっつも俺の心を励ましてくれたね。 それに気づかない俺は馬鹿だ。 今すぐ、君に会って「ありがとう」って言いたい。心の底から大泣きして「ありがとう」って言いたい。言わせて欲しい。 『なんで、隠すの?笑われるのが怖いって思ってるの? 私、絶対に笑わないから話してみない?』 口を開かないと俺の想いや気持ちは伝わらない。 なんて、めんどくさい生き物なんだろうね。 人間というのはさ.... でも、そこがいい..........君と話せるからね。 これからはずっと一緒だ。
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