彼が求める『ひんやり』は

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「みみりんってさぁ、可愛いよね」  あれ? 妄想のしすぎで耳までおかしくなったのかな。なんか、ありえない空耳が聞こえてきた。 「俺のためにヒヤロンまで用意して、手を冷たくしてくれてたんでしょ?」  真実は、いつもひとつ……!!  名探偵にズバリと当てられ、もう降参するしかない。 「も、申し訳ありませんでしたぁぁ!!」  深々とお辞儀し、両手を差し出す。 「え、なにこれ」 「手錠」 「プッ……みみりん、マジさいこー」  松井くんは怒ってなくて、笑ってる。良かった…… 「じゃ、せっかくだから手錠しちゃおっかな」  安心したのも束の間、私の右手ががっちりと松井くんに捕まえられた。わわっ、やっぱ実刑確定!?
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