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「ごめんなさいっ!! 私、嘘ついてました。
いや、嘘じゃなくて、最初はほんとに冷え性で、私の手は『人間ヒヤロン』だったんです。でも、いつからか松井くんに手を触れられると思うと手が熱くなって、手汗が出るようになって『人間ヒヤロン』じゃなくなっちゃったんです。『人間ヒヤロン』じゃない私は、松井くんにとって価値がなくなってしまう。だから、ヒヤロンの力を借りて『人間ヒヤロン』になろうとしてました、ごめんなさいっっ!!」
「ちょっ、『人間ヒヤロン』って何回言ってんの! てか、『人間ヒヤロン』ってなに?」
松井くんはお腹を抱えて笑ってる。私は真剣に謝ってるのに。
「あのさぁ、みみりん。俺が、ひんやりしてて気持ちいいからってみみりんの手を握ってたのは、ただの口実だから」
「こう、じつ!?」
……だと!?
と、心の中で突っ込んでみたものの、意味は分かっていなかった。
「みみりんに近づきたかったから、あぁやってただけ」
「へっ!?」
「だって、ほんとに涼しくなりたかったら、図書室とか保健室とかもっと冷房きいてるとこに行くことだってできるし、みみりんみたいにヒヤロン持ってくることだって出来るわけじゃん」
「あ!!」
ほんとにそうだ!!
びっくりしながら納得した私に、松井くんはクスッと笑った。
「ほらね。ほーんと可愛いなぁ、みみりんは」
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