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「そんな事はどうでも良いから置いといて。あんたら、ドラゴンを二人で何とか出来たのか?」
「レイト様、失礼にも程がありますよ!」
焦った様子でレイトを注意するルーナだったが、二人も然程気にしてはいない様子だった。子供だからと甘く見てくれたのかも知れない。
「とりあえず、退かせる事は出来た。町にも被害はない。だが、これからまたいつやって来るかは分からないんだ。そこでレイトルバーンに依頼を出したという事なのだ」
「へえ。あんたら二人で何とか出来るくらいのドラゴンって事は、大型じゃねえって事か」
「何?」
さすがに今のレイトの発言は、ダンテの怒りを買う結果になってしまった。
「すいません! 彼も悪気があって言ったわけでは!」
「ルーナさん。彼がいくらレイトルバーンの団員でましてや子供だとしても、今の言葉は笑っては見過ごせないな」
「ダンテさん、落ち着いて……?」
エクシアもそこまで気にする事かと、ダンテを慌てて止めよう試みるも振り切られてしまう。既に、互いに何かしら行動を起こせば相手に当たる距離まで縮まってしまった。
「そこまで言うくらいだ。君はドラゴンを倒せると言う事なのだろう?」
「当たり前だ。その為に俺が来たんだからな。あんたみたいに、俺を見た目で判断するような奴よりかは強いぜ?」
「そこまでにして下さい! あなた達が今、互いの力を証明する必要などありません! 今やるべき事は、この町をまたいつ襲いに来るか分からないドラゴンが、何故この町を襲ったのかを調べる事です!」
勿論、レイトが嘘を言っていない事などルーナは百も承知であった。だからこそ、これから起こるであろう事を回避したい。間違いなくダンテが敗北する事は目に見えている。
「へいへい……」
レイトもルーナに睨まれてはこれ以上何も言う事は出来なかった。ダンテも彼女の迫力に驚いて小さくすまなかったと謝罪する。
「大変ですね……」
「いえ、いつもの事ですから。と言うよりも、彼が火種を生み出すのは分かっていましたしね。今はなによりも町の安全を確保する事が最優先です。その後でお二人で好き勝手やってくれたら良いんです」
(あ、二人が戦うのは止めないんだ……)
二人が戦う事に関しては、全く止めるつもりがないルーナにエクシアは肩を落とした。
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