それは、冷ややかな

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 ユイトは頭を下げて部屋に入り込もうとする。何を言っているんだろう、ユイトは。暑さのせいか、何か分からないが頭が上手く回ってくれない。  ふと、先程までいた部屋をちらりと横目で見ると、彼女は黒いフレームの中で変わらぬ笑顔を僕に向けていた。  右手の二つのアイスクリームが、たぷん、と音を立てて、水滴が僕の腕を伝っていった。
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