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陽翔くんとは、侑子の自宅から近い歩道橋で別れた。バッグの中にある鍵を取り出し自宅に入る。
自室に着いてバッグを椅子に置いた。制服を着たままベッドに寝転びながら、ふぅー、と息を吐く。
やっと今日も1日が終わった。
つい目線が椅子に置いたバッグへと目をやる。そう言えば・・・・・・。
華帆から借りた小説の事を思い出して、ベッドから立ち上がる。そのまま椅子に近付いた。
玄関の鍵を開ける際にバッグのチャックを開けた状態だった。バッグに手を入れ、茶色の紙のカバーを取り出す。
『侑子なら絶対ハマると思う本だと思うの。あ、中身は小説ね』
そう華帆が勧めてくれた小説。華帆が侑子に対して“ 絶対にハマる ”と言ってくれたのだ。
気にならない筈がない。少しだけ読んでみたい。
表紙も裏面のあらすじすら見る事無く小説の1ページを開いたのだ。
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