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陽翔くんが教室から出ていく姿を見送っていると華帆がタイミング良く現れた。
「お待たせ、はいこれ」
個人ロッカーからバッグごと持ってきた華帆は、袋詰めされた例の作品を侑子に渡した。
陽翔くんの背中を気にしながらも、例の作品を手に入れられる。流石に出来ないけれど飛び跳ねるくらい嬉しかった。
「有難う」
ちゃんと優しい華帆にお礼を言った。
自宅に帰ったら早速、このBL漫画を読もうと思う。即座に侑子のバッグに袋詰めの例の作品を入れてひと安心する。
すると華帆から思いも寄らない言葉が投げ掛けられる。
「彼氏となんかあった?」
またずーんっと沈み込む侑子。安易なく心配してくれた華帆には、悪いけれど言えない。
「嗚呼・・・・・・気にしないで」
鋭い華帆の質問を頼りもせず、軽く流した。
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