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「はい、侑子」
「え?」
渡された物は本だった。A6サイズの文庫本みたいで、茶色の紙がカバーシートの役目を果たしていて、中身がなんなのか分からなかった。
「何の本?」
侑子は中身が気になり華帆に問いかける。
「内緒、侑子なら絶対ハマると思う本だと思うの。あ、中身は小説ね」
“ 小説 ”という事くらいしか教えて貰えず、少しの不満もあった。けれど折角友達が薦めてくれるのだから、見ないのも違うと思う。
侑子がどんな人物かは友達としてずっと傍に居てくれた華帆なら分かるだろう。絶対ハマるというのだから興味も引かれる。
「う、うん。有難う、家に帰ったら読ませて貰うね」
華帆の勢いに押されつつも、お礼を言って本をバッグの中に閉まった。
「オッケー、感想も忘れずにだよ」
華帆から念を押され「はいはい」と軽く受け流したのだった。
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