8人が本棚に入れています
本棚に追加
/37ページ
「魁斗こと話してやるよ。涼河と奈々美は幼馴染なの。
涼河はクラスの人気者で女子にモテモテで男子にとっては憧れの存在。
奈々美も美人で頭良くてスポーツ万能。男女問わず憧れよね。
魁斗は、イケメンで勉強もできる人だけど、心臓病を持ってるの。
病弱で学校を休むことが多くて、あまり友達がいなかった。
そんな中話しかけてくれたのが、涼河だった。2人は徐々に仲良くなった。
でも、涼河の事好きだった人たちは怒ってる。
『なんであんな奴が涼河と仲良くなってんの』ってさ。だから、
涼河がいない時に目を盗んで魁斗はいじめられるようになったの。
まあ、主にいじめてたのは私なんだけどね!あははっ!」
ひどいっ。ひどすぎるっ!
ガラガラっ。張り詰めた空気の中ドアが開いた。
先程のギャル系女子は自分の席に戻って行った。
教室の入り口の方に目をやり
「奈々美っ、涼河っ、魁斗_!来てっ。」
無理やり引っ張って誰もいない屋上へ連れて行った。
「どうしたの?」奈々美が優しい声で言った。
「ごめんね、私っ、私何も知らなくて…。
クラスの子達に聞いたよ。魁斗の事。」
3人ともびっくりしている。
すると魁斗が、吹っ切れたように言った。
「俺、もう死ぬかもしれないんだ。」
ハッと驚き魁斗を見た。奈々美と涼河も同じ反応だ。
「発作は多くなってきてるし、薬の量も多くなってる。もうつらいよ。
でもね、涼河と奈々美と仲良くなれてほんと嬉しかったんだ。
それと、まさか夢菜が転校してくるなんて思ってなかった。」
「やっ、やめてよ…。そんな、もうすぐ死ぬみたいな…」
奈々美が涙目になって声を震わせながら言った。
「死ぬ前に叶えたいことがある」
奈々美の言葉を無視し話を続ける魁斗。
「1俺含めこの4人で海へ行く
2夢菜と付き合う」
え、私と付き合う!?
「俺、余命あと1年持つかどうかなんだ」
!?
最初のコメントを投稿しよう!