ひんやりお説教

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ひんやりお説教

「内藤、ちょっと。」 「はい。」 これは良くない。 課長は、注意する時にも、冷気を発する。 この冷ややかな視線。 絶対、お説教だ。 私は恐る恐る課長の席に向かった。 「これ、2000本発注して ユアホームセンターに納品するように 言ったはずだけど。」 「はい。」 うん、したした。 それは、完璧。 ちゃんとやったよ。 私は、ほっと胸を撫で下ろす。 「1ケース20本入りを2000ケース、発注、 納品されてるんだけど。」 「えっ!?」 私は慌てて課長が人差し指でトントンしてる伝票を覗き込む。 そこには確かに 品番 HE534021 品名 除草剤(20入) 数量 2000 とある。 つまり、四万本!? 「す、すみません! すぐにお詫びして訂正を…」 私は、焦ってあたふたと頭を下げる。 「電話は俺からしておいた。 午後、お詫びと余剰分の回収に伺うから、 そのつもりでいろよ?」 「………はい。」 私は項垂れて、自分の席に戻る。 あーあ、私って、なんでこんなにおっちょこちょいなんだろう。 ちゃんと確認したつもりだったのにな。
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