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(ここは……どこだろう……?)
千雪がぼんやりと目を開けると、そこには見知らぬ天井が広がっていた。
「千雪っ‼目が覚めたのかっ‼」
濡れタオルを片手に冬真が駆け寄って来た。
「冬真っ…」
千雪は、冬真から濡れタオルを受け取ると、額に当てる。
「ひんやりして気持ちいい……」
ふと、自分の手に目を落とすと、袖からのぞく手首に、黒い文様が蔦のように絡まっている。
「と、冬真‼」
「これは何?」
千雪はびっくりして、冬真の鼻先に手首を突きつけた。
「これは、呪詛だ。あの女がお前に仕掛けた。」
「呪詛っ⁉」
「ここは、俺が居候している祥禅寺だ。住職が本堂で待っている。」
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