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「これは……かなり大掛かりな呪詛だな。」
仁計は、千雪のシャツの袖をめくり、黒い蔦のような紋様を観察すると、そのまま千雪のシャツに手を掛けた。
「これはっ……‼」
隣にいる冬真が、千雪の胸元を見て目を見開いた。
千雪の心臓の位置に、黒い三角形の文様が入れ墨のように浮き出ていた。
「これは……鉄輪の文様か。ったく、お前も面倒な奴に目を付けられたな。チケット1枚じゃ足りないぜ。」
「鉄輪……?それは何だ?」
「鉄輪ってのは、昔、ある女が浮気した夫に呪詛をかけたのが由来だ。」
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