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「鉄輪は、黄泉がえりの呪詛ではないのか?」
「違う。人殺しの呪詛だ。」
「何か呪詛を防ぐ手はあるのか?」
「呪詛返しだよ。」
仁計は、平静さを失った冬真を呆れたように見た。
「これだけ大掛かりな呪詛だ。本人に返った呪詛は、魂を喰らい尽くす。」
「それって……っ‼」
千雪は、とっさに冬真の手を握る。
「呪詛は禁忌だ。然べき代償は支払わなければならない。」
仁計は、隻眼の瞳で震える千雪をじっと見つめた。
「その女は、俺が斬る。」
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