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黒い煙にまかれた愛理は、その場に崩れ落ちた。
(愛理さん……‼)
仁計は、すばやく妖刀「雲龍丸」を抜き放った。
(あっ……)
(身体が軽くなった……!!)
千雪は、膝をついて立ち上がると仁計に向かって叫んだ。
「仁計っ‼もう十分だっ‼刀を納めて下さいっ‼」
刀を構えた仁計は、チラリと千雪を見やると舌打ちした。
「クソガキは引っ込んでろっ!!」
「呪詛は元を絶たなきゃならねぇんだよ。」
仁計は、愛理の冠を指さした。
「この2本のロウソクを見てみろ。この炎は、この女の念。」
「1本目は悲しみ、2本目が恨みの念だ。これが消えない限り、呪詛は払えない。」
「そんなっ!!」
千雪は、苦しそうにあえぐ愛理のろうそくの炎を見つめた。
(これを消せば……愛理さんは助かるかもっ!!)
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