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「やめとけ。」
しかし、仁計の冷静な声に遮られる。
「やらせてください!!」
「無駄だな。お前の力量じゃ、恨みの念までは浄化できない。」
「だが、お前にもそんな特技があったとはな。いいだろう。残りの呪詛は俺が封じてやる。」
千雪が荒い息をつきながら、仁計を見上げると、仁計は床に倒れている愛理に数珠で五芒星を斬った。
「南無や西方弥陀如来 音に返す舞の袖
一生の夢の如く沈みたまえ」
仁計は、目を閉じ印を結ぶ。
フッ……
最後のろうそくの炎が消えた。
全てが闇に包まれる。
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