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それから半年後。
私たちは、三上のお父さんが設計したという、格式高く幻想的な美しさを持つ素敵な教会で挙式をあげることになったのだった。
控え室で潤さんとは一足先に対面し、あり得ないぐらい褒められて固まっていた。
当然、潤さんはモデル並みにカッコよくて、本当に私なんかで良いのか?と思うぐらいだった。
その後、純白のウエディングドレスに身をつつんだ私は、緊張した面持ちで家族とともに式の開始を待っていた。
ついに、この時が来た。
背筋をぴんと伸ばし、深呼吸した。
「お父さん、お母さん、今まで私を育ててくれてありがとうこざいました。
今日、私は潤さんに嫁ぎます。
離れて暮らすのは初めてだから不安もあるけど、潤さんを信じて力を合わせて頑張ります。
今までありがとう。お世話になりました。」
そう言って、頭を下げた。
両親も亜里沙も泣いていた。
私もうるっときたが、なんとか堪えていた。
ちょうどその時、美しくドレスアップした悠理がにこやかに入って来た。
今日も美しく輝く親友の姿に、私は顔をほころばせた。
「おめでとう、美緒!
今日は、いつにもまして綺麗だよ。
さすが、愛のチカラだね〜!」
「ありがとー、悠理。
悠理こそ、すごく綺麗だよ〜、
なんだか緊張しちゃって心臓バクバクだよ。」
「落ち着いてよ〜、
みんな祝いに来てるんだから、心配しなくていいわよ。」
そう言って笑った。
そうだよね、悠理が言うとおりだ!
「ふふっ、そうだよね、ありがとう。」
そこへノックの音がして、早希ちゃんと吉岡も入ってきた。
「おめでとうございます、美緒さん!
うわぁ、思ったとおり!超絶美人ですね〜。
素敵です、うらやましい〜。
私も早く結婚したいなぁ〜」
にこやかな早希ちゃんと、吉岡も来てくれた。
「おめでとう、小坂。」
「来てくれてありがと、吉岡。」
今日は吉岡も、彼らしく人懐こい笑顔で私達を祝ってくれている。
ほんとお世話になった、頼りになる同期だよ。
しばらく、みんなと歓談していたところに、思わぬ人物の登場で一瞬心が騒ついた。
「美緒さん、おめでとう。
とっても綺麗で羨ましい!
さっき新郎にも挨拶して来たわ、衣装がよく似合ってたわね。」
あまりにもあっさりとした彼女の態度に、
私は全てを理解した。
「綾さん!
来てくださって、ありがとうこざいます。」
「もちろんよ!大事な従兄弟の結婚式だもん。
美緒さん、本当にいろいろとゴメンなさいね。
私も二人に負けないぐらいに、幸せになるからね。今はもう、潤と美緒さんの幸せを祈ってるわよ。
これからも、よろしくね!」
「綾さん、嬉しいです。
こちらこそ、よろしくお願いします。」
綾さん、潤さんを卒業出来たんだね。
みんなに祝われて私は幸せものだ、そう思ったら胸がジンと熱くなった。
式場の担当者が、
「そろそろ入場していただきますので、お式に参列される方はチャペルの方へ、そろそろ移動していただけますでしょうか?」
その案内により、みんなゾロゾロとチャペルに移動し始めた。
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