幸せになろう

2/4
2091人が本棚に入れています
本棚に追加
/118ページ
その後は宿に向かい温泉に入り、ゆっくりと寛いだ。 お風呂から上がって涼んでいると、潤さんが 「少し、庭を散歩しないか?」 と言うので、亜里沙たちとは別行動で二人で旅館の庭園を散歩した。 「ここに来て良かったな。」 「そうですね、 みんなスッキリした顔してますね。」 「うん、この前さ、親父が泣いてる姿なんて初めてだったんだ、驚いたよ、 ずっと周さんに会いたがってたのは知ってた。 まさか、美緒のお父さんだったなんてな? だから、俺と美緒の出会いは運命だと思う。 俺、美緒に一目惚れだったし…。」 「えーっ、ほんと?」 「そうだよ、まじで! 俺、毎日会いたいと思ったんだ。 最初は休暇取って、しばらく海外に旅に出ようと思ってたんだけど、変更してばあちゃんちに来たんだ。 それから毎朝、美緒に会えて嬉しかったよ…。 なぁ 美緒、俺たち幸せになろうな、絶対。 大事にするから、美緒…。」 「潤さん、幸せです、今も。」 へへっ、照れるな。 抱き合おうとした瞬間、旅館の大きな窓からこちらを覗いてる亜里沙とお父さんと、三上のお父さんの姿が見えた。 「潤さん、ダメ! 見られてるっ。」 「くそっ、あいつらワザとだな。」 家族旅行なんだから仕方ないよね。 確かに、私たちが悪い…。向こうで三人がゲラゲラ笑ってる? もう!恥ずかしい…。
/118ページ

最初のコメントを投稿しよう!