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その後は宿に向かい温泉に入り、ゆっくりと寛いだ。
お風呂から上がって涼んでいると、潤さんが
「少し、庭を散歩しないか?」
と言うので、亜里沙たちとは別行動で二人で旅館の庭園を散歩した。
「ここに来て良かったな。」
「そうですね、
みんなスッキリした顔してますね。」
「うん、この前さ、親父が泣いてる姿なんて初めてだったんだ、驚いたよ、
ずっと周さんに会いたがってたのは知ってた。
まさか、美緒のお父さんだったなんてな?
だから、俺と美緒の出会いは運命だと思う。
俺、美緒に一目惚れだったし…。」
「えーっ、ほんと?」
「そうだよ、まじで!
俺、毎日会いたいと思ったんだ。
最初は休暇取って、しばらく海外に旅に出ようと思ってたんだけど、変更してばあちゃんちに来たんだ。
それから毎朝、美緒に会えて嬉しかったよ…。
なぁ 美緒、俺たち幸せになろうな、絶対。
大事にするから、美緒…。」
「潤さん、幸せです、今も。」
へへっ、照れるな。
抱き合おうとした瞬間、旅館の大きな窓からこちらを覗いてる亜里沙とお父さんと、三上のお父さんの姿が見えた。
「潤さん、ダメ! 見られてるっ。」
「くそっ、あいつらワザとだな。」
家族旅行なんだから仕方ないよね。
確かに、私たちが悪い…。向こうで三人がゲラゲラ笑ってる?
もう!恥ずかしい…。
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