幸せになろう

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そして、いよいよ、 緊張気味の、いや緊張でガッチガチの父と、 二人でバージンロードを歩くんだ。 チャペルの重厚なドアの前で…、 「美緒は、私の自慢の娘だよ。」 ぼそっと、お父さんが言った。 私もお父さんに言いたい。 「お父さん、育ててくれてありがとう。 ずっと守ってくれてたのに、意地張って何も分かってなくてゴメンね。」 「美緒…、」 「泣かないで、私まで泣いちゃうから。」 「うん、泣いたら、 綺麗な花嫁さんが台無しだからな?」 親娘で頷き合ったその時、ドアが開けられた。 一歩一歩、踏みしめて歩みを進める、 右を見ても左を見ても、温かい笑顔で溢れている。 今日の良き日を迎えられたのも、みんなのおかげだと言っても過言ではない。 まだまだ未熟な私達を支えてくれて励ましてくれた。 本当に本当にありがとう。 祭壇の前で、 シルバーグレーのフロックコート姿が素敵な潤さんが、私に微笑みかけている。 なんて素敵な人なんだろう、ため息が出そう。 心の中で呟いた。 私は、今日もあなたに恋している。 潤さん、決して余所見はしないでね、 ずっと私だけを愛して欲しい。 だって私には、潤さんだけなんだから…。 私も潤さんと、一緒に頑張るから。 目が合うと潤さんは小さく頷いた。 私の最愛の人。 私だけを見つめ、私だけを愛し、 私だけを求めてくれている。 潤さん、あなたと生涯を共に歩みます。 ふたりで幸せになろう…。 ふたりの永遠を今、誓う。 END
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