告白

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告白

私は亜里沙をそこで待たせて、席を立った。 そして、会社に電話をした。 今日は特に急ぎの仕事もなかったはずだ。 家族の体調が悪くて病院に付き添うので、休ませてくださいと、 急で申し訳ないと謝ると、 課長は、大丈夫気にしないでと言ってくれた。 ホッとしたが、亜里沙のことが心配だ。 不安そうな亜里沙に目をやる。 いつからかな? 大人になったな、服装も髪型も、 ネイルだって綺麗にしてる。 「亜里沙、お姉ちゃんに言ってごらん。」 大きくフーッと息を吐いて、亜里沙が言った。 「お姉ちゃん、お父さんに言わないでね?」 うんと頷く、 私が今更、義父に何も言うことはない。 「私ね、お姉ちゃん、」 はーっと再び息を吐く、 「お姉ちゃん、私、妊娠したかもしれない。」 「亜里沙…。」 私は一瞬、目を閉じた。 なんてこと!まだ19歳なのよ。 相手は? 「亜里沙、 相手の方は、このことを知ってるの?」 亜里沙は首を左右に振る。 「亜里沙、相手に言わないと! 亜里沙はどうしたいの?産みたいの?」 亜里沙、なんてこと! 頭に血が上ったのか、頭痛がする。 あぁ、どうしたらいい?
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