愛をくれた人〜好きになって良いですか？〜

危機

山田のおばあちゃんの家を訪ねたが、
応答が無い。

「おばあちゃん、おばあちゃん？
いないの？ おばあちゃーん！」

ジュンが鳴いている！
ワン！ワンッ！ワンッ！ ワンッ！

「ジュン！ジュン！」

おばあちゃん、いるのねっ！

玄関からは入れない、
勝手口に回る、どこか入れる場所は？
窓ガラスを割る？

そうだ！トイレの窓、
カギが締まりにくいって言ってた。

小さい窓だな！
入れるだろうか？
踏み台になりそうなものはない？
洗濯カゴをひっくり返して、登ってみる。
行けるか？
カタカタする窓を、
力いっぱい、
ギギィー！と音を立てながら開ける。

「開いた！」

なんとか小さな窓から、
必死に身体を滑り込ませる。
少し、肘と脛を窓枠で擦りむいたが、
今は痛みすら感じない。

早く、おばあちゃんを助けないと！
ただ、その一心だった。

なんとか入り込んで、おばあちゃんの部屋に向かった。