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《おはよー。私メリーさん。今貴方の家の前に……》
「いやいや、それ今年もやるわけ? 芸無さすぎでしょ」
《そ、そんなにきつく言わなくても……。ていうかその指摘はウチじゃなくて作者に言ってほしんだけど》
「あはは、ごめんごめん。でも作者に言ってってどういう意味? まあ良いや、今から行くね。お兄ちゃんが駅まで乗っけてってくれるって」
《お、まじ? やったー》
陽田京子ちゃん。赤縁眼鏡と三つ編みがトレードマークの女の子で、私の小学生からの幼馴染である。とある趣味に対して時々歯止めが効かなくなることがあるが、その話はまた後々。因みに彼女も私と同じ部活に入っている。
ということでお兄ちゃんの車で最寄り駅へと送ってもらい、私たちは電車に乗り込む。
「そういえば京子ちゃん、中学からずっとその髪型だけど、変えようと思わないの?」
「あー、あんまり思ったことないかも。一応好きでやってることだしね」
満員よりも幾分か余裕がある状態の中で他愛の無い会話をしていると、学校から一番近い駅まで到着した。ただし一番近いと言ってもそれなりに距離があり、暫く歩かなくてはならない。
県立亀ヶ崎高校。それが私たちの通う高校の名前だ。特段変わったところはなく、しがない公立高校だが、私には敢えてここを選んだ理由がある。
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