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1.営業
私の名前は吉川詠美【よしかわえいみ】。
20歳で牛丼屋を経営しています。
とはいうものの、高卒で経営しているので他店より売れてるかというと売れています。
営業時間は1時間限定です。
今もお客様が行列をしていて休む暇もありません。
「すごく大変ね、さすがに一人はつらいわ」
牛丼屋を経営しているのはいいけど、一人でやっているので行列するのは嬉しい。
しかし、甘い事は言えないので頑張るしかありません。
さてと、お客様もそろそろ減ってきているので大分余裕が出てきたわ。
私は最後のお客様に品を出すと終わった。
「今日もなんとか終わったわ」
最後のお客様は食べ終わるとお店から出て行った。
「さすがに従業員を雇用しないとつらいわ」
私は店頭に従業員募集中の張り紙を張った。
「これでいいわ」
私はお店を閉めると家に帰宅することにした。
家に帰宅すると私は
「疲れたぁ~、一人では限界があるよ~」
明日になればきっと募集を見てくれた人が応募してくれるはず。
それまでの辛抱よね。
明日に備えて寝ようかな。
翌朝、私は目が覚めると起き上がる。
「営業開始までお時間あるし、まずはお店に行こうかな」
お店に着くとお店の前でうろうろとしている女性二人組を発見する。
「どうしたの?」
と女性二人組に声をかけた。
「募集を見て来ました」
「そうなの? とりあえず、中に入って」
私と女性二人はお店の中に入る事にした。
「座っていいわ」
女性二人組が座席に座ると私も座席に座る事にした。
「まずは履歴書を見せて」
女性二人は履歴書を私に渡してきた。
私は二人の履歴書を見ている。
「梨香さんに香奈さんね」
二人はお返事してくれた。
「梨香さんは牛丼屋で働いたご経験は?」
「私はありません、しかし、接客業の経験があります」
「なるほどね」
「香奈さんは牛丼屋の経験はあるの?」
「私もありませんが接客業の経験があります」
「なるほどね」
接客業の経験があるのは良いことだわ。
二人も雇用すれば応対もスムーズにいって楽になるわ。
私も調理に専念できるわ。
この二人を雇用しましょう。
「梨香さん、香奈さん雇用させていただきます」
二人は喜んでいる。
「まずはこのお店の事についてお話します」
二人は頷く。
「この牛丼屋は他の店と違って1時間限定の営業です」
「それと1時間限定だけど、行列ができるので忙しいです、覚悟してください」
二人は頷く。
「ここまでで聞きたい事はありますか?」
梨香さんが
「どうして1時間なんですか?」
「それは私が1時間でやりたいからです」
「はい」
「香奈さんは平気ですか?」
「えっとですね、今まで一人でしていたんですか?」
「そうなりますね」
「一人で経営も営業をしているのってすごいですね」
「結構つらい部分もありました」
「はい」
「次のお話に移ります」
二人は頷く。
「時給ですがおいくらがいいですか?」
香奈さんが
「時給おいくらってどういう意味ですか?」
「貴方達が決めていいってことです」
「いいんですか?」
「はい」
香奈さんと梨香さんが相談を始めている。
きっと時給の事でお話をしているのだろう。
梨香さんが
「私は2000円がいいです」
香奈さんが
「私も2000円がいいです」
「わかりました、時給は2000円にしましょう」
二人は頷く。
「それでは契約書にサインをお願いします」
二人は契約書にサインをする。
契約書にサインをした書類を渡される。
「これでいいわ」
「さっそく今日から働いてもらいます」
香奈さんが
「今日からですか?」
「無理なの?」
「いいえ、働きます」
「梨香さんは今日からで大丈夫ですか?」
「はい」
「問題はありませんね」
二人は制服に着替えると
「これ可愛い制服だね」
「そうだね」
「二人とも似合ってるじゃない」
「はい、ありがとうございます」
梨香さんが
「これ下が短いね、パンツ見えたりしないかな」
香奈さんが
「見てもいいじゃない、お客様にサービスだよ」
「香奈さん良い事言うじゃない」
「今頃だけど、私のお名前を言うのを忘れてたわ」
「私のお名前は詠美です」
二人は
「はい」
とお返事をした。
「そろそろ営業のお時間、二人とも準備はいい?」
梨香さんは
「はい、大丈夫です」
香奈さんは
「大丈夫です」
「慣れるまで大変だけど、一緒に頑張りましょう」
二人は頷く。
私はその前に店頭に人材募集の張り紙を剥がした。
私はお店の中に戻る。
「結構もう行列が出来ているわ」
梨香さんが
「お客様は並ぶの早いですね」
「そうね、まあ、1時間限定の牛丼屋ですからね」
「なるほどね」
「二人とも接客は任せたわ」
二人は頷く。
営業開始するとお客様が食券を買うと私に渡してくる。
私は調理に入る。
今までは調理と接客をしていたため、スムーズにできなかった。
しかし、今は二人雇用した事によってお客様に対応が早くなるはずだ。
私は調理をしている。
出来上がると梨香さんと香奈さんがお客様の元へ運ぶ。
二人ともなかなか様になってるじゃない。
私も調理に専念しようかな。
しばらくしてお時間が経つと
梨香さんがお客様の元へ運んでる最中にお客様と接触をして注文の品を落としてしまった。
するとお客様は
「おいっ、こらっ、俺の頼んでいたのを落としやがって」
私はすぐさまお客様に
「大変申し訳ございません、失礼致しました」
お客様は
「こんな新人を取るからこうなるんだよ」
私はこう言い放った。
「お客様の言う事はごもっともですが新人に対してそれはないと思います」
お客様は
「お前の教育が悪いんだよ、もっとしっかりとしろよ」
私は
「お客様、今の発言は暴言ですよね、他のお客様も居ます、気をつけて下さい」
他のお客様がざわついている。
香奈さんが
「お客様申し訳ございませんでした」
と言いながら、頭を下げた。
するとお客様は
「次から気をつけてな、新人さん達頑張れよ」
お客様はお店を出ずに香奈さんの傍に行くと香奈さんのお尻を触り出した。
するとお客様は香奈さんの耳元で
「いいお尻してるな」
と呟いた。
香奈さんは赤面している。
その時だった。
梨香さんがこう言った。
「お客様、従業員のお尻を触ってたね、やめなよ」
お客様は
「触るぐらいいいじゃねぇかよ」
梨香さんは
「警察に通報しますよ、いいんですか」
お客様は
「できるもんならやってみろよ」
他のお客様はトラブルになりそうな感じがしたのか、何処かへ行ってしまった。
「お客様のせいで他のお客様も居なくなりました、これは営業妨害です」
お客様は
「そんなの知るかよ、それにな、俺の注文した品を落としてなければこうはなっていないな」
「では、警察に通報します、いいですよね」
「そ、それは……困るな……穏便にいこうな」
「まず従業員に謝罪して下さい、それと営業妨害なのでそれだけのお金を支払ってもらいます」
「ごめんな、新人さんの従業員悪かった」
香奈さんは
「はい」
とお返事をした。
「営業妨害のお金は置いていくよ、いくらだ」
「そうですね、1000万円でいいですよ」
お客様は茫然としている。
お客様はこう言った。
「それはいくらなんでも高すぎるだろ」
「従業員のお尻を触っておいて、それに営業妨害をしているのにまだそんな事を言うのですか」
梨香さんと香奈さんがお客様を睨んでいる。
「お二人さん、そんなに睨みつけなくてもいいじゃないか」
そうしていると梨香さんがこう言った。
「お客様、従業員にセクハラみたいな事をしておいて1000万円で許すと言ってるのに払わないの」
「は、払うから、明日まで待ってくれ」
「わかりました、明日までお待ちしております」
「必ず来るから待っててくれ」
「はい」
お客様はお店から出ると走って何処かに行ってしまった。
「香奈さん、梨香さん、大丈夫ですか?」
「詠美さん、ありがとうございます」
「気にしなくていいわ、それより今日は上がっていいわ」
二人は頷く。
梨香さんと香奈さんは制服を着替えるとタイムカードに記録すると帰宅した。
それにしても悪質なお客様もいるのね。
本当に気をつけないといけないわ。
私も着替えて帰宅しようかな。
お店を閉めて私は家に帰宅する事にした。
帰宅途中に私の後をつけてる人がいる。
私は走って逃げる事にした。
走っていると後ろから追いかけて来る人がいるのを感じる。
私はそこの曲がり角を曲がった。
私は立ち止まる事にした。
するとそこにはさっきのお客様がいた。
「さっきはよくも言いたい放題言ってくれたな」
「私に何か用ですか?」
「少し痛い目を見てもらおうと思ってな」
すると男性は私に殴りかかってくる。
私はそれを避けるとすぐさま男性のみぞおちに蹴りを入れる。
男性はというと……。
意識を失って倒れている。
私は男性を放置して家に帰宅するのだった。
家に帰宅すると私は
「今日は最悪ね」
私は今日の事を思い出すだけで腹が立った。
新人の梨香さんと香奈さんやめなければいいけどね。
それも明日になったらわかるわ。
私は寝室に行くとベッドの上に仰向けになると目を閉じて寝る事にした。
明日は良い事がありますように……。
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