一時間しか営業しない牛丼屋

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6.従業員との旅行Ⅲ 私はお部屋の中でいくら考えても行きたい場所がない。 私は困っている。 「はぁっ、もうお部屋の中でくつろいでいていいよね」 その時だった。 梨香さんと瑠香さんが私のお部屋の中に入ってきた。 梨香さんが 「詠美さん、またお部屋の中でくつろいでいる」 「えっ? そ、そうね、悪い?」 「悪くないけど、旅館の外に出てますか?」 「で、出てるわ」 「本当にですか?」 梨香さんが疑っている。 私はこのままではまずいと感じた。 「本当よ」 そうしていると香奈さんが 「え・い・み・さ・ん」 「な、何?」 「嘘はよくありませんよ」 「何を言っているの? 本当の事しか言ってない」 「そうなんですか、そういう事を言うの、詠美さん」 梨香さんと香奈さんの様子がおかしい。 私はここにいると危険という感じがした。 すぐにお部屋を出る事にした。 すると梨香さんと香奈さんが追いかけてくる。 「どういう事よ、なんでよ」 私は一階に降りるとすぐ靴を履いて旅館の外に出た。 「はぁっ、はぁっ、はぁっ、一体何があったの」 私は後ろを振り向くと梨香さんと香奈さんが居なかった。 「もしかして私ははめられたの?」 私は心の中でやられたと感じていた。 「はぁっ、しょうがない、箱根を散策しようかな」 私はそこらへんをうろうろとしている。 「箱根にも牛丼屋があるのね」 私は牛丼屋の中に入る事にした。 食券を買うとカウンターに食券を出した。 しばらくしてからご注文の品が運ばれてくる。 「美味そうね、いただきます」 私は美味しそうに食べている。 「この味は……私の牛丼屋では出せない味だわ」 私は心の中でこういう味を出せればもっとお客様が増えるかもしれない。 私は食べ終わると立ち上がってお店の外へ出る。 再び、箱根を散策する事にした。 「結構、楽しいわ」 その時だった。 梨香さんが 「詠美さん、楽しんでますか?」 「ええっ、楽しんでます、というかはめたでしょ?」 「はい」 「はぁっ、まあいいわ」 香奈さんが 「詠美さん、楽しそうにしてますね」 「そうね、楽しいわ」 梨香さんと香奈さんが来て三人で箱根を散策する事になった。 梨香さんが 「詠美さん、暑いね」 「そうね、今は夏だからね」 「そういえば、箱根にもプールがあったような」 「箱根に来てまでプールは遠慮しておきます」 「どうしてですか、行きましょうよ」 「行きません」 すると香奈さんが 「詠美さんのスタイルいいんだからきっとモテモテですよ」 「そんな事ないわ」 「詠美さんの水着姿見たいな」 「そ、そうなの?」 「せっかく従業員同士で旅行に来ているのに」 「わ、わかったわ」 「うん」 結局、梨香さんと香奈さんと三人で箱根のプールに行く事になった。
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